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歯の豆知識

歯の生え変わり

歯の生え変わり乳歯はなにもないところに(厳密にはありますが)、生後6~8ヶ月頃、下あごの前歯から生えてきます。
3歳までには乳歯がすべて生えそろいます。
6歳ごろから永久歯への歯の抜けかわりが始まります。
一番最初に生えてくるのは下あごの奥歯で、6歳臼歯と呼ばれています。
また下あごの前歯(一番右端の歯)も同時期に生えてきます。

歯の生え変わりその後10歳ぐらいまでは、乳歯と永久歯が混合する時期が続きます。
12歳以降は、ほぼすべて永久歯がそろいます。
生えかわり時期には個人差があります

虫歯の原因

虫歯の原因口の中のミュータンス菌が、歯垢(プラーク)をつくる大きな原因です。
ミュータンス菌は、生まれたばかりの赤ちゃんには元々ない細菌ですが、たいてい2才歳迄にお母さんからご飯の口移しなどで感染します。
ミュータンス菌の多い少ないで虫歯になる確率も変わってきます。
ミュータンス菌がご飯などの糖分を分解して歯垢がつくられ、時間とともに歯垢のpH値が下がる(酸が強くなる)と 歯の浸食が始まります。これが虫歯の原因となります。
ミュータンス菌が口の中になければいいのですが、なかなかそうはいきません。
左図の3つのうち一つでも防げれば虫歯の予防になりますが、ご飯を食べないわけにはいけませんので、歯垢を取り除くことが一番大切なのです。

歯周病の原因

歯周病の原因図は歯を真ん中で分けて正常な歯組織と歯周病の歯組織を比較しました。
歯垢は時間とともに石灰化して歯石になります。
歯周病の歯ぐきの内側には歯石があり、歯ぐきも腫れています。
歯を支える骨も正常な歯組織と比べるとかなり痩せてきています。
歯はぐらぐら動きます。
出血や口臭もひどくなり、さらにひどくなると歯を抜くことになります。
歯の表面のブラッシングだけでなく、歯ぐきの内側の歯垢も除去することが大切です。

治療前の診査と診断 1

最初に歯科医院を訪れると受付後、先生の診査と診断が行われます。
よくインフォームドコンセントと言われますが、患者さんと先生の最初のコミュニケーションが始まります。
説明してそれに納得し、同意するまでの課程を患者さんも先生も大変重要であると考えているのです。

治療に必要な情報を得るために対話形式で問診を行います。
たぶん問診表を受付で記入されたことと思います。
患者さんや家族の病歴や持病、現在の健康状態、生活環境など問診表をもとにさらに詳しく質問し把握することで適切な治療方法を決めていくのです。
問診の後は患者さんの訴えをもとに直接お口の中を診ることで、原因を特定していきます。

治療前の診査と診断 2

痛いところを治すだけではなく、痛くなった原因も追及して再発を防止するために、複数の診査をします。
1.小さいミラーを使って歯やはぐき、歯並びなどを直接診ます。
2.直接指で触ったりピンセットなどで虫歯の程度や歯のぐらつき程度を調べます。
3.また冷却スプレーや細い金属棒などで直接刺激して、歯の痛みの有無や、痛む箇所を特定します。
4.レントゲン撮影で外部から見えない部分の虫歯やその他の疾患を正確に把握します。
5.必要に応じて先端機器を使って噛み合わせやあごの状態を調べます。
以上のことを総合判断して治療方針が示され診断されます。

虫歯の治療

虫歯の治療虫歯の治療 虫歯はその進行具合によって治療方法が違ってきます。
図は上から順にC0、C1、C2、C3、C4と記号にて虫歯の進行具合を表し、下にいくほど悪化していると言えます。
よく先生が歯の検診で、C1、C2とか言われているのを聞いたことがあるかと思います。
C1は初期の虫歯でわずかに歯の表面が浸食されていますが、痛みの自覚症状はありません。歯の内側の神経に達すると痛くなります。

虫歯の治療虫歯の治療C2は歯の表面を破り象牙質とよばれる軟組織まで達しています。
ここまでくると虫歯の進行は急速に速くなり冷たい物がしみたり、時には痛みも感じるようになります。
C3は象牙質をも破り、歯の一部も無くなっています。神経も侵し始め、かなり痛いはずです。

虫歯の治療C4は歯もすっかり崩壊して神経も死んでいるので、もう痛みを感じなくなります。
歯の根っこだけが残った状態で、こうなると歯を抜くことがほとんどです。
根っこの下の方には膿がたまり、虫歯だけではなく、歯周病や他の病気も併発しています。

歯周病の治療 1

歯周病の治療歯周病も虫歯と同じようにその進行具合によって治療方法が違ってきます。4つの図があります。上から順に歯周病初期、歯周病中期、歯周病後期、歯周病末期を表しています。下にいくほど悪化している状態で、最終的には歯が脱落してしまいます。歯周病初期には歯肉が発赤し、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる隙間ができます。痛みを感じる事はありませんが、歯を磨いたときに出血することがあります。この状態までを歯肉炎といいます。この時期は、自分自身に合ったハブラシによるプラーク・コントロール法を会得することが大切となります。そのために歯科医、歯科衛生士によるブラッシング指導が行われます。最適なブラッシングでプラークを除去することにより歯肉をひきしめます。

歯周病の治療最近は普通のハブラシ以外に歯並びの悪い箇所や、ハブラシの届かない奥歯を磨くための様々な種類のハブラシが用意されています。
歯周病中期、ここからは歯周炎と呼ばれます。
歯周ポケットに付着したプラーク(歯垢)は一部が石灰化し歯石となり、さらに歯肉の炎症が進み、腫れた感じになり出血しやすくなっています。歯槽骨(歯を支える土台の骨)もとけ始め、口臭も感じてきます。
まずは歯石を除去することが大切になります。この時期は目で見える部分の歯石除去が中心です。歯石はハブラシでは除去することができないため、歯科医、歯科衛生士の助けが必要になります。スケーラーと呼ばれる器具、あるいは、超音波スケーラーと呼ばれる器械によって歯石は除去されます。そうすることによって歯肉の炎症改善を期待します。

歯周病の治療 2

歯周病の治療歯周病後期、歯肉が下がり歯ぐきがやせて、歯槽骨も吸収され、歯の根が露出してきます。見た目には歯が伸びたような感じになります。この頃歯肉の腫れと出血はさらにひどくなり、指で歯を強く押すと動く感じがします。痛むこともないので、放置して悪化させるケースが少なくありません。
歯周ポケットがさらに大きくなっているこの時期、歯の根の部分にまで沈着した歯石やポケット内の不良肉芽組織(細菌に侵され元に戻らなくなったもの)を取り除く事をします。通常、局所麻酔を行いグレーシーキュレットと呼ばれる器具で目に見えない部分の歯石除去を行います。きれいにすることによって歯肉が根面に付着することを期待します。

歯周病の治療歯周病末期、ここまでの状態になるとほとんどが抜歯(歯を抜く事)になります。その前に自然に抜け落ちてしまうことも多いようです。歯肉は歯の根の部分まで下がり、歯ぐきから膿が出て、歯をかみ締められなくなります。この時期には体調そのものが悪くなっていることがあります。
ここまでの治療でも治らなかった場合には歯周外科手術を行います。歯肉を切って骨からはがし、直接目で見て悪いところを徹底的にきれいにします。そうすることによって、歯肉が根面に付着し歯ぐきが締まってくる事を期待します。しかし、どんな治療法を用いても、手遅れになった歯周病を治す事は出来ません
歯周病の治療はどの段階においても、終わったところで再評価を行います。治療が充分な効果をあげていればメンテナンスへ移っていきます。メンテナンスとは、指導を受けた方法による毎日のブラッシングです。効果が十分にあがっていない場合は、もう一度プラーク・コントロールからやり直すか、別の原因がある場合は次のステップの治療へと移っていきます。
歯周病は治療が終わってからと日頃の予防が大切です。そのためにも毎日のブラッシングにより、お口の中を清潔に保つ事が最も大切な事です。

インプラント 1

インプラント「インプラント」とは人工歯根のことです。歯の抜けた場所に人工歯根を埋め込んで、その上に人工の歯をかぶせる治療方法のことを言います。
歯が抜けてしまった場合の主な治療方法は下記の通りです。
「ブリッジ」
抜けてしまった歯の部分に人工の歯を入れますが、その人工の歯を支えるために2本以上の歯が必要となります。また、その健康な歯を削らなければなりません。そうすることによって支える歯に負担がかかることになります。

インプラント「入れ歯」
抜けてしまった歯の部分に人工の歯を入れるのは「ブリッジ」と同じですが、隣接する歯を削らずにクラスプというバネを架けて固定します。入れ歯は取り外し可能な装置です。「ブリッジ」のように完全に固定しないので、口の中で動いてしまい噛みにくかったり、当たりができ痛みを生じたりする場合があります。

インプラント 「インプラント」
抜けてしまった歯の根の部分(顎の骨)に人工歯根を埋め込んで、骨に固定します。その後人工の歯を上から装着します。この治療方法の場合、健康な歯を削る必要がなく、骨に固定しているため、自分の歯のような自然な感覚で噛む事ができます。また、バネ等を架けていないので、審美的にも自然な感じのものができます。

インプラント 2

インプラントの材質について
現在使用されているインプラントのほとんどが、「チタン」という材料からできています。「チタン」は生体親和性(人間の組織になじみやすい性質)に優れ、骨と結合します。骨とより強く結合させるためにいろいろ工夫されたものがあります。骨と結合する表面積を増やすため細かい凹凸をつけたり、小さな球を敷き詰めたようにしたり、また、ハドロキシアパタイト(骨の成分のひとつ)というものを表面につけて、骨と早く強固に結合させるものがあります。
実際のインプラント治療について
人工歯根を歯の抜けた場所に埋め込むにあたり、歯を抜く場合と同程度の手術が必要となります。人工歯根を埋め込んでから骨と結合するまで、下の顎で約2~3ヶ月待ちます。

インプラントには種類によって
1パーツの手術1回法 2パーツの手術1回法 2パーツの手術2回法の3パターンがあります。
1回法の場合、2~3ヶ月後(下の顎の場合)に人工歯根の上部に人工の歯を装着して終わります。
2回法の場合、2~3ヶ月後(下の顎の場合)にもう一度手術をし、歯ぐきの状態が回復した後人工の歯を装着します。各方法はそれぞれにメリットがあり、その時の状況に応じて選択されることになります。
インプラント治療その後について
インプラントは永久的なものではありません。その後の手入れの仕方により大きな違いがでてきます。定期的な検診を行い、口の中を衛生的に保つことがとても大切な事になります。